大量の監視対象機器がある場合、監視設定ってとっても大変ですよね。
ましてやネットワーク機器等は数も多いので大変だと思います。
Zabbixには監視項目を自動で作成するローレベルディスカバリ(LLD)という機能があります。
一度作成してしまえば膨大にある監視対象も、新規で監視機器を追加する場合も
一瞬で追加することができます。
とても便利な機能なので、ぜひ活用してみてください!
ローレベルディスカバリ(LLD)は何をするか
監視設定を自動化しているといっても、実際にローレベルディスカバリは何をしているのでしょうか。
図で説明すると下記のようになります。
①監視対象機器に対してディスカバリ(監視対象:監視項目の確認)を実行します。
ディスカバリする内容は設定によって変更できます。ここではネットワーク機器のポート数をディスカバリする例としています。
②ディスカバリを受けて監視対象機器は、自身にどれだけ監視対象があるか返答します。
例えばポート数は10個ある、どこにLANケーブルが刺さっている等
③Zabbixサーバは受け取った監視対象をもとに自動でアイテム、トリガーを作成します。
設定する内容
ローレベルディスカバリを実施する場合、下記の内容を設定する必要があります。
①ディスカバリルールの作成(どの内容をディスカバリするのか)
②アイテムのプロトタイプの作成(ディスカバリした内容に対してどれをアイテムとして作成するか)
③トリガーのプロトタイプ作成(作成したアイテムに対してどのようなトリガーを作成するか)
実際に設定していきましょう。
設定の前提
今回の設定の前提として下記とします。
・監視対象はネットワーク機器
・監視対象のネットワーク機器はsnmp通信ができている前提
・ネットワーク機器のインターフェースを自動取得し、LinkDown/UPに対してトリガーを設定
ディスカバリルールの作成
まず初めにディスカバリルールを作成します。
今回はディスカバリのテンプレートを作成していきます。
予め新規テンプレートを作成し、「ディスカバリルール」を選択します。
「ディスカバリルールの作成」より新規作成します。
下記項目を設定します。
名前:任意
タイプ : SNMPv2エージェント
キー : snmp.discovery
SNMP OID : discovery[{#IFDESCR}, ifDescr, {#IFINDEX}, ifindex,{#IFOPE}, ifOperStatus]
SNMPコミュニティ : ネットワーク機器に設定してあるもの
ポート:161
今回設定したSNMP OIDは、インターフェースの名前と番号、ステータスをディスカバリするものになります。
設定したら「追加」ボタンで保存します。
アイテムのプロトタイプの作成
作成したディスカバリルールにアイテムのプロトタイプを作成します。
今回はポートのステータスのアイテムを作成します。
「アイテムのプロトタイプ」より設定を初めます。
下記の項目を設定します。
名前 : ifOperStatus[{#IFDESCR}]
タイプ : SNMPv2エージェント
キー : ifOperStatus[{#IFDESCR}]
SNMP OID : ifOperStatus.{#IFINDEX}
SNMPコミュニティ : ネットワーク機器に設定してあるもの
ポート : 161
設定したら「追加」ボタンより保存します。
トリガーのプロトタイプ作成
作成したディスカバリルールにトリガーのプロトタイプを作成します。
今回はリンクダウン・アップのトリガーを設定します。
「トリガーのプロトタイプ」より設定を初めます。
下記の項目を設定します。
名前 : IF LINK DOWN [{#IFDESCR}]
条件式: {interface LLD:ifOperStatus[{#IFDESCR}].last(1)}<>1
※赤字の部分はテンプレート名になるので注意!
設定したら「追加」ボタンより保存します。
上記でローレベルディスカバリの設定は完了です。
作成したローレベルディスカバリのテンプレートをホストに適用してあげると自動で監視項目を取得し
トリガー作成が開始されます。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。