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Zabbix 3.2.4 自動で監視項目作成(LLD:ローレベルディスカバリ)

投稿日:2017年11月12日 更新日:

大量の監視対象機器がある場合、監視設定ってとっても大変ですよね。

ましてやネットワーク機器等は数も多いので大変だと思います。

 

Zabbixには監視項目を自動で作成するローレベルディスカバリ(LLD)という機能があります。

一度作成してしまえば膨大にある監視対象も、新規で監視機器を追加する場合も

一瞬で追加することができます。

とても便利な機能なので、ぜひ活用してみてください!

 

ローレベルディスカバリ(LLD)は何をするか

監視設定を自動化しているといっても、実際にローレベルディスカバリは何をしているのでしょうか。

図で説明すると下記のようになります。

①監視対象機器に対してディスカバリ(監視対象:監視項目の確認)を実行します。

  ディスカバリする内容は設定によって変更できます。ここではネットワーク機器のポート数をディスカバリする例としています。

②ディスカバリを受けて監視対象機器は、自身にどれだけ監視対象があるか返答します。

  例えばポート数は10個ある、どこにLANケーブルが刺さっている等

③Zabbixサーバは受け取った監視対象をもとに自動でアイテム、トリガーを作成します。

 

 

設定する内容

ローレベルディスカバリを実施する場合、下記の内容を設定する必要があります。

①ディスカバリルールの作成(どの内容をディスカバリするのか)

②アイテムのプロトタイプの作成(ディスカバリした内容に対してどれをアイテムとして作成するか)

③トリガーのプロトタイプ作成(作成したアイテムに対してどのようなトリガーを作成するか)

 

実際に設定していきましょう。

 

設定の前提

今回の設定の前提として下記とします。

・監視対象はネットワーク機器

・監視対象のネットワーク機器はsnmp通信ができている前提

・ネットワーク機器のインターフェースを自動取得し、LinkDown/UPに対してトリガーを設定

 

ディスカバリルールの作成

まず初めにディスカバリルールを作成します。

今回はディスカバリのテンプレートを作成していきます。

 

予め新規テンプレートを作成し、「ディスカバリルール」を選択します。

 

「ディスカバリルールの作成」より新規作成します。

 

下記項目を設定します。

名前:任意

タイプ : SNMPv2エージェント

キー : snmp.discovery

SNMP OID : discovery[{#IFDESCR}, ifDescr, {#IFINDEX}, ifindex,{#IFOPE}, ifOperStatus]

SNMPコミュニティ : ネットワーク機器に設定してあるもの

ポート:161

 

今回設定したSNMP OIDは、インターフェースの名前と番号、ステータスをディスカバリするものになります。

設定したら「追加」ボタンで保存します。

 

アイテムのプロトタイプの作成

作成したディスカバリルールにアイテムのプロトタイプを作成します。

今回はポートのステータスのアイテムを作成します。

「アイテムのプロトタイプ」より設定を初めます。

下記の項目を設定します。

名前 : ifOperStatus[{#IFDESCR}]

タイプ : SNMPv2エージェント

キー : ifOperStatus[{#IFDESCR}]

SNMP OID : ifOperStatus.{#IFINDEX}

SNMPコミュニティ : ネットワーク機器に設定してあるもの

ポート : 161

 

設定したら「追加」ボタンより保存します。

 

トリガーのプロトタイプ作成

作成したディスカバリルールにトリガーのプロトタイプを作成します。

今回はリンクダウン・アップのトリガーを設定します。

「トリガーのプロトタイプ」より設定を初めます。

下記の項目を設定します。

名前 : IF LINK DOWN [{#IFDESCR}]

条件式: {interface LLD:ifOperStatus[{#IFDESCR}].last(1)}<>1

※赤字の部分はテンプレート名になるので注意!

設定したら「追加」ボタンより保存します。

 

上記でローレベルディスカバリの設定は完了です。

作成したローレベルディスカバリのテンプレートをホストに適用してあげると自動で監視項目を取得し

トリガー作成が開始されます。

 

以上、皆さんの参考になれば幸いです。

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